猫を2匹以上飼う「多頭飼い」は、ふわふわの猫同士が仲良くじゃれ合う姿や、部屋に広がる癒しの空気を楽しむことができる素敵な飼育スタイルです。しかし、その一方で「相性が合わずにケンカが絶えない」「先住猫がストレスを溜めてしまった」など、トラブルが起きるケースも少なくありません。
この記事では、猫の多頭飼いを成功させるための注意点や、相性の良い猫の選び方をわかりやすく解説していきます。これから猫を迎え入れようと考えている方や、すでに多頭飼いで悩みを抱えている方にも役立つ情報をぎゅっとまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
猫の多頭飼いのメリットとデメリット
多頭飼いのメリット
- 猫同士のコミュニケーションが見られる
猫が2匹以上いると、互いにじゃれ合ったり毛づくろいをし合ったりと、1匹飼いでは見られない可愛らしい交流が楽しめます。人間にはない猫同士のコミュニケーションは見ているだけで癒され、飼い主の気持ちも和ませてくれます。 - 留守番中の孤独感を減らせる
飼い主が仕事や外出などで家を空ける時間が長い場合、猫が1匹だと退屈したり寂しく感じたりすることがあります。しかし、多頭飼いであれば、猫同士が遊び相手や心の支えになり、ストレスを軽減しやすくなります。 - 社会性を育みやすい
他の猫と暮らすことで、自然と社会性が身につきやすくなります。小さい頃から複数の猫と一緒に暮らす子は、噛み方や遊びのルールなどを相手とのやりとりの中で学ぶことが多いです。
多頭飼いのデメリット
- 飼育費用やお世話の手間が増える
多頭飼いでは、当然ですがエサやトイレ用品、医療費などが2倍以上になる可能性があります。さらに、ブラッシングや遊び相手をする時間もその分増えるため、経済面やお世話の時間にゆとりがあるかどうか事前に考えておくことが重要です。 - 猫同士の相性が悪いとトラブルが起きやすい
性格や年齢、体格などの違いによっては、一緒に暮らすのが難しい猫たちもいます。相性が合わずにストレスを抱えると、攻撃的になる、トイレ以外で粗相する、といった問題行動が出てしまうケースもあるのです。 - 環境への負荷が大きくなる
猫の数が増えると、部屋のニオイ、抜け毛、さらに爪とぎによる家具や壁のキズなど、家の環境もそれだけ負荷がかかります。快適さを保つためには、空気清浄機の導入やこまめな掃除など、より丁寧な管理が欠かせません。

相性の良い猫の選び方
多頭飼いを成功させるためには、単に「可愛いから」といった見た目だけでなく、猫同士の相性をしっかり考慮することが大切です。以下では、具体的にチェックすべきポイントをお伝えします。
性格の相性
- 活発な猫同士
エネルギッシュで活発な性格の猫は、同じく元気いっぱいの猫と相性が良い場合が多いです。お互いにたくさん遊んでストレスを発散できるため、退屈しにくいのがメリットです。 - おっとりした猫同士
のんびりした猫は、似たような落ち着いた子と過ごすほうがストレスになりにくい傾向があります。激しく追いかけ回されると負担になってしまうため、性格が合わないとケンカや威嚇が増えることもあります。
年齢のバランス
- 同世代の猫
体力や遊び方が似ているため、一緒に過ごしやすくなります。特に子猫同士は遊びやすい反面、どちらも社会性がまだ育っていないので、噛み合いやケンカが多い場合も。しかし、その分、早い段階から相性が良ければ強い絆を育みやすいです。 - 先住猫がいる場合は、年齢差に注意
先住猫がシニアで落ち着いた性格なのに、超元気な子猫を迎え入れると、先住猫がストレスを感じるケースが少なくありません。逆に、まだ若い先住猫とシニア猫を同居させる場合は、シニア猫のペースを尊重してあげる必要があります。
オス・メスの組み合わせ
- オス同士
オス同士は、縄張り意識が強い場合があります。ただし、去勢手術をしている猫同士なら比較的落ち着くことが多いです。 - メス同士
メスは神経質なタイプが多いとも言われますが、一概には言えません。相性が良ければ、穏やかに過ごせるケースもたくさんあります。 - オス×メス
一般的には、オスとメスの組み合わせが安定しやすいとされています。ただし、不妊手術のタイミングや発情期の対処によっては、トラブルが起きる場合も。飼い主がしっかり管理することが大切です。
猫同士を上手に引き合わせる方法
相性が良さそうな猫を選べても、実際に同居を始めるときの引き合わせ方を間違えると、関係が悪化してしまうこともあります。ここでは、新しい猫の迎え入れ方やストレスを減らす環境作りなど、具体的なポイントを紹介します。
新しい猫の迎え入れ方
- 最初は別々の部屋で慣れさせる
新入り猫をいきなり先住猫のテリトリーに放すと、先住猫が不安や警戒心を強めてしまいます。まずは新入り猫を別の部屋に落ち着かせ、数日から1週間ほどかけてお互いのニオイに慣れる時間を作りましょう。 - 匂いを交換する
先住猫と新入り猫の毛布やタオルを交換して、それぞれに相手の匂いを少しずつ覚えさせます。匂いに慣れることで、実際に対面したときの緊張感を減らせます。 - 短時間から対面させる
いきなり長時間同じ空間に放つのではなく、まずは数分や数十分からスタート。様子を見ながら、少しずつ対面時間を伸ばしていきます。無理に近づけようとせず、猫たちが落ち着いているかどうかを観察し、平穏に過ごせるようなら徐々にフリーの時間を増やしましょう。
ストレスを減らす環境作り
- 高低差のあるスペースの確保
猫は上下運動が好きで、心地よい場所を見つけてリラックスしたい生き物です。キャットタワーや棚を活用して、立体的に動けるスペースを用意しましょう。先住猫と新入り猫それぞれが落ち着ける場所を確保することで、ストレスを減らす効果があります。 - 安心できる隠れ場所の提供
段ボール箱や小さめのベッドなど、猫が身を隠せる空間があると安心感が高まります。多頭飼いの場合は、各猫が「自分だけのスペース」を確保できるよう心がけましょう。 - 十分な遊び時間を設ける
運動不足や遊び不足はストレスの原因になります。多頭飼いでは、どうしても一匹一匹の相手をする時間が減りがちなので、飼い主が積極的に遊んであげることで猫たちの心を満たしてあげることが重要です。
仲良くさせるための工夫
- おやつを使った仲良し作戦
猫たちの好きなおやつをあげるタイミングを合わせることで、「相手がいるといいことがある」と感じさせやすくなります。一緒にいるときに良い体験を積むことで、相手への警戒心がやわらぎます。 - やきもち対策
先住猫を優先して構うことで、「新入りのせいで大好きな飼い主が相手してくれない!」と感じさせないようにするのもポイントです。もちろん、新入り猫にもたっぷり愛情を注いであげてくださいね。

多頭飼いの注意点とトラブル対策
多頭飼いでは、どうしても小さなトラブルやケンカが起きる可能性があります。事前の予防策と、万が一トラブルになったときの対処法を知っておくことで、猫たちのストレスやケガを最小限に抑えられます。
縄張り争いの防止策
- トイレやご飯の場所を分ける
1つのトイレやご飯スペースを共有させていると、どちらかが独占したり、警戒心から使えなくなる子が出てくるかもしれません。トイレは飼っている猫の頭数+1を用意するのが理想とよく言われるので、余裕をもって設置しましょう。 - 複数の爪とぎグッズを置く
爪とぎは猫のストレス発散やマーキングのためにも必要です。数が少ないと取り合いの原因になるため、複数種類を置いてあげるのがおすすめです。
ご飯・トイレ・寝床の管理
- フードは同じ場所で与えない方が良いケースも
猫同士がまだ慣れていないうちは、フードを別々の場所であげると安心して食べやすくなります。落ち着いて食べられないと、食欲不振や体調不良に繋がる可能性もあるため、慎重に様子を見ましょう。 - 清潔かつ快適な寝床
猫は寝る時間が長い動物です。それぞれがゆっくり休めるよう、クッションやベッドを複数用意することをおすすめします。
喧嘩・ストレスのサインと対応
- 唸り声や威嚇が増えたら要注意
猫同士が威嚇し合う場合、無理に仲介しようと抱っこするのは逆効果になることもあります。まずは距離を取り、落ち着くまで静観するか、別々の部屋に分けてクールダウンさせましょう。 - 爪とぎ以外の場所で爪とぎをする
これはストレスサインのひとつと考えられます。新入り猫が来たことで縄張りをアピールしようとするケースもあるため、爪とぎの数を増やして対策するか、スプレータイプの爪とぎ防止グッズを活用してみてください。 - 粗相(トイレ以外の場所で排泄)
環境の変化や相性の問題でストレスが高まると、トイレ以外の場所でおしっこやうんちをしてしまう猫もいます。トイレの数や場所を見直し、猫が安心して排泄できる環境を整えましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. 猫が仲良くならない場合はどうする?
A. まずは無理に仲直りさせようとせず、それぞれのスペースを確保して距離を保ちましょう。匂い交換や短時間の対面など、段階的に慣れさせる方法をもう一度試してみるのがおすすめです。どうしても難しい場合は、プロの動物行動学の専門家や獣医師に相談するのも一つの手段です。
Q2. 先住猫と新入り猫の適応期間はどれくらい?
A. これは猫の性格や年齢、環境によって大きく異なります。数週間で打ち解ける場合もあれば、数カ月かかるケースもあります。焦らず気長に見守りつつ、ケンカなどがエスカレートしそうなときは適度に仲介・距離を置くなどの対策をとりましょう。
Q3. 多頭飼いに最適な飼育スペースは?
A. 猫の頭数に応じて、縦の空間を含めた十分な広さが必要です。一般的に言われるのは「1匹あたり最低でも2畳以上のスペース」が目安ですが、キャットタワーや棚などを設置し、高低差をつけることで狭い部屋でもストレスを減らせます。特に2匹以上飼う場合、ケージやキャリー、トイレなどの設置場所も考慮し、猫同士がぶつかり合わないよう工夫すると良いでしょう。
まとめと注意点のおさらい
猫の多頭飼いは、猫たちのかわいい姿を倍以上に楽しめる一方で、相性や環境次第ではトラブルのリスクもあります。成功のカギは、無理のない範囲での飼育準備と、猫の個性を尊重した相性チェック、そして段階的な引き合わせです。
- 相性をしっかり見極める
性格や年齢、オス・メスの組み合わせなどを検討し、自分の生活スタイルに合った猫を選びましょう。 - 新入り猫を迎えるときは慣らし期間を長めに設定する
最初は別の部屋で過ごし、匂い交換→短時間の対面→徐々にフリーへ、と段階を踏んで無理なく慣れさせるのがポイントです。 - 各猫が安心できるスペースを用意する
トイレやエサ場、寝床、爪とぎなど、猫のテリトリーが取り合いにならないよう工夫しましょう。 - ケンカやストレスサインを見逃さない
威嚇や粗相などのサインが出たら、すぐに環境を見直し、ストレスを軽減できる対策をとってください。
以上のポイントを押さえておけば、猫同士がリラックスして過ごせる空間づくりに近づけます。多頭飼いは大変さもありますが、猫たちが仲良く寄り添っている姿や、いっしょに遊んでいる様子を見ていると、本当に幸せな気持ちになりますよ。
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